写真●NEC「WebSAM Invariant Analyzer」の分析画面
写真●NEC「WebSAM Invariant Analyzer」の分析画面
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 NECは2009年10月8日、ITプラットフォームの新構想「REAL IT PLATFORM Generation2」と、それに基づいた二つの新製品の概要を発表した。企業の基幹系システムをクラウド・コンピューティングの考え方を取り入れたデータセンターで運用可能にするために、技術開発を強化する。

 具体的には、「高効率インフラストラクチャ」「サービス実行基盤」「システムサービス管理」の3領域に力を入れる。今回新たに発表した製品は、データセンター内のサーバーの安定稼働を支援するソフトウエア「WebSAM Invariant Analyzer」と、データセンター内のネットワーク構成を柔軟にするシステム「プログラマブルフロー・スイッチ/コントローラ」の二つである。

 WebSAM Invariant Analyzerは、サーバーごとに約170ある監視項目を関係付けてモデル化し、性能劣化や不具合の原因を自動的に分析するソフトウエアである。不具合が発生したら、どのサーバーのどの監視項目が異常値になったかを自動的に調べ、相関図を画面に表示する(写真)。担当者の経験と勘に頼らなくても、原因分析がしやすくなるという。価格は1000万円からで、10月20日に出荷を開始する。

 プログラマブルフロー・スイッチ/コントローラは、スイッチとそれを管理する「コントローラ」と呼ばれるサーバーで構成する、ネットワーク制御システムである。仮想マシンを、異なるネットワークセグメントにあるハードウエアに移動した場合でも、IPアドレスなどを変更する必要なく、プログラマブルフロー・スイッチが自動的に通信経路を制御する。

 このシステムは「OpenFlow」と呼ばれる、スイッチ制御用のプロトコルを利用したものである。「従来のルーターやスイッチのトンネリング技術や動的経路変更技術以上に柔軟性を確保できる」と、渡辺裕之ネットワークプラットフォーム開発本部長は同システムの利点を説明する。2010年度末に製品化する予定だ。