写真1●日本ユニシスのクラウド・サービス基盤構成
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写真2●クラウド型ストレージ・サービス「ICTデータストアサービス」
写真2●クラウド型ストレージ・サービス「ICTデータストアサービス」
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写真3●日本ユニシス ICTサービス部門長の角泰志常務執行役員
写真3●日本ユニシス ICTサービス部門長の角泰志常務執行役員
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 日本ユニシスは2009年10月7日,同社のクラウド型ホスティング・サービスに秘密分散ストレージや仮想プライベート・クラウドなどの新機能を追加すると発表した。既存の東京データセンターのほか,2010年1月までに増設する大阪および北海道のセンターを加えた3サイトを連携させてサービスを提供する(写真1)。10月13日から順次販売を始める。

 今回発表した新サービスは,(1)クラウド型ストレージ・サービスの「ICTデータストアサービス」,(2)プライベート・クラウド・サービスの「エンタープライズクラウド」,(3)CPUの時間課金「ICTホスティングサービス CT」,(4)データセンターへの中継サービス「ICTサービスカフェテリア」,(5)アクセス回線を一体提供する「WANアクセスパッケージ」の5サービス。

 (1)のICTデータストアサービスは,機能として「秘密分散」「超高速」「WORM」の3種類を用意する(写真2)。秘密分散は3カ所のデータセンターに分割してデータを保存することで機密保持性や耐障害性を高める機能,超高速はシリコン・ディスク・ストレージによる高速I/O処理が可能なバッチ処理向けの機能,WORMは監査用ログ・ファイルなど改変不能なアーカイブ用の機能である。

 料金は機能と容量による。秘密分散は1Tバイト当たり月額30万円,超高速は100Gバイト当たり1日5万円,WORMは未定という。提供開始は12月から順次。

 (2)のエンタープライズクラウドは,同社データセンターとユーザー拠点をVPNまたは専用線で接続し,クラウド上のリソースをイントラネット上のサーバー/ストレージとして使えるサービス。同社のホスティングやストレージ・サービスと組み合わせることで,自社インフラのリソースを段階的に移行できるとする。販売開始は11月1日。

 (3)のICTホスティングサービス CTは,CPU利用率に応じた時間単位での従量課金体系が利用できる仮想マシン・ホスティングの新メニュー。料金はCPUの月間平均利用率が30%未満の場合は1時間50円から,同30%以上60%未満は1時間60円から,同61%以上は1時間70円から。11月1日に販売を始める。

 (4)のICTサービスカフェテリアは,日本ユニシスの拠点を同社データセンターへのデータ転送や検証作業用の中継拠点として利用できるサービス。(5)のWANアクセスパッケージは,アクセス回線を含めたワンストップ提供サービス。いずれも10月13日から販売を始める。ICTサービスカフェテリアについては,当初は東京拠点を対象に提供を始め,今後は大阪,名古屋,福岡をメニューに加える計画。

「日本最大のクラウド」目指す

 日本ユニシスは,2008年10月に最小構成で月額11万円からのクラウド型ホスティング・サービス「ICTホスティングサービス」を開始。米Cisco Systemsの仮想化対応スイッチ「Nexus」やシンガポールeG Innovationsの運用管理ソフト「eG Enterprise Suite」などを使って運用管理コストを低減することで,申し込みから最短5営業日での利用開始,1カ月単位の利用などを実現している。今後は同基盤をベースに,今回のサービス強化に伴い新設するデータセンター,および傘下のネットマークスによるネットワーク・ソリューションとの相乗効果で「米Amazon.comや米Googleに対抗できる日本最大のクラウド・サービス」(ICTサービス部門長の角泰志常務執行役員,写真3)を目指すという。

[発表資料]