写真1●ドコモがITU TELECOMに展示したLTE端末<br>左が韓国LG電子製のUSB接続タイプ,右が富士通製のExpress Cardタイプだ。
写真1●ドコモがITU TELECOMに展示したLTE端末<br>左が韓国LG電子製のUSB接続タイプ,右が富士通製のExpress Cardタイプだ。
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写真2●LTEのベースバンドチップと通信制御ソフトを組み合わせた「LTE Platform」
写真2●LTEのベースバンドチップと通信制御ソフトを組み合わせた「LTE Platform」
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 2009年10月5日にスイスのジュネーブで開幕したITU TELECOM WORLD 2009の展示会場で,NTTドコモはLTEに対応した端末を展示している。展示した端末は,富士通製のExpress Cardタイプと,韓国LG製電子のUSB接続タイプの2機種(写真1)。残念ながら,どちらもモックアップで実際に動作している場面は会場では見られなかったが,2010年の商用サービス開始へ向けて,端末面でもLTEの開発が着々と進んでいることをアピールした。

 ドコモは,NEC,パナソニックモバイルコミュニケーションズ,富士通と共同で,LTE向けのベースバンドチップと通信制御ソフトを組み合わせた「LTE Platform」のエンジニアリングサンプルを開発完了済みで,「既に性能評価を始めている」(ドコモ)という。このチップセットは6.8mm四方の大きさである(写真2)。データ転送速度が受信最大100Mビット/秒,送信最大50Mビット/秒というLTEのカテゴリー3に対応する。3Gのチップセットと組み合わせて,LTEと3G間のハンドオーバーを実現する機能も実装している。こちらのLTE Platformは,データカード型だけでなく「ハンドセット型の端末も作れる」(ドコモ)という。

 ドコモが今回のITU TELECOMにLTEの端末を出展したのは,「世界とLTEの開発のスケジュール感を共有するため」(ドコモ)。ドコモは世界の先頭集団に合わせる形で,2010年12月にもLTEの商用サービスを開始する計画だ。