写真●中国移動は出荷を開始したばかりの「Ophone」を大々的にアピール
写真●中国移動は出荷を開始したばかりの「Ophone」を大々的にアピール
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 2009年10月5日にスイスのジュネーブで開幕したITU TELECOM WORLD 2009において,中国企業が大きな存在感を見せている。展示会場では,ZTEや華為技術(ファーウエイ・テクノロジーズ)といった中国メーカーが大きなブースを構えているほか,中国移動(チャイナ・モバイル)や中国聯合(チャイナ・ユニコム)といった中国の大手通信事業者も出展した。特に世界最大の加入者数を持つ中国移動の王建宙会長兼CEO(関連記事)は,開幕セレモニーやカンファレンスに引っ張りだこで,世界でのプレゼンスを確かなものにしている。

 中国移動のブースでは,端末プラットフォーム「OPhone」(関連記事)を大々的にアピールしている(写真)。OPhoneとは,米グーグルのAndroidをカスタマイズし,中国移動仕様にカスタマイズした端末。アプリケーションのランチャのほか,ミドルウエアなどに手を加え,iPhoneライクなユーザー・インタフェースを実現している。8月末に,レノボやフィリップス,デルなどからOPhone搭載の端末が発売されたところという。

 中国移動の説明員は,OPhoneについて「ユーザー・エクスペリエンスを改善し,データ通信を増やす狙いがある」と語る。端末メーカーに収益基盤を奪われることを防ぐため,通信事業者主導でプラットフォームを持つ狙いもあるのだろう。

 OPhoneは「完全なオープン・プラットフォームで,ニーズがあれば他の通信事業者も利用できる」(中国移動)という。中国移動はパキスタンで事業免許を取得するなど,世界展開を進めている。OPhoneも端末プラットフォーム面から世界展開を目指す,戦略的なツールになるかもしれない。