画面1●DRサイトで仮想マシンを起動
画面1●DRサイトで仮想マシンを起動
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画面2●仮想マシンをグループ化
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 ヴイエムウェアは2009年10月6日、仮想マシンのディザスタリカバリ(DR)を実現するソフトの新版「VMware vCenter Site Recovery Manager(SRM) 4」を出荷開始した。初のメジャーバージョンアップとなる。新たに、本番サイトとDRサイトをN対1の関係で設定できるようにした。NFSストレージのサポートも追加。市場予想価格は、1CPU当たり21万8000円(サポートは別途)である。
 
 SRMは、仮想マシンを遠隔にあるDRサイトにバックアップしておき、本番サイトの災害時にそれを起動することで業務継続を図る(画面1)。新版では、N対1でサイト間リカバリが可能。最大15サイトのバックアップ先を一つのDRサイトに割り当てられる。従来はサイト間を1対1でしか結べなかった。SRMは「vCenter Server」のプラグインとして動作する。バックアップしたい仮想マシンはグルーピングしてあらかじめ登録しておく(画面2)。新版では、バックアップ可能な仮想マシンの最大数を、従来の500台から1000台へ引き上げた。

 SRMでは、本番サイトとDRサイトの仮想マシンの状態を定期的に同期する。仮想マシンの構成情報や仮想ハードディスク(vmdk)などに加えて、ストレージ内容を同期する必要がある。ストレージの同期には、ストレージベンダーが提供するレプリケーション機能を使う。今回、NFSベースのレプリケーションを利用可能にした。その理由をテクニカル アライアンス マネージャの名倉丈雄氏は「ディザスタリカバリのニーズが高まってきたことを受けて、ファイバチャネルやiSCSIに加えて、より安価なNFSも使えるようにした」と説明する。現在、利用できるNFSストレージは「EMC Celerra」と「NetApp NFS」である。

 同社の仮想化製品スイートの最新版「VMware vSphere 4」の機能にも対応。フォールトトレランス機能「VMware Fault Tolerance(FT)」や仮想ネットワークスイッチ「VMware vNetwork Distributed Switch」で構成した仮想マシンもSRMの対象にできる。仮想化ソフト「VMware ESX 3.x」と「同 4.0」が混在した環境でも利用可能だ。