国際部門の責任者であるTalend副社長 Vicent Pineau氏
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Talend Open Studio
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 オープンソースのデータ統合ツールを開発しているフランスTalendが2009年内にも日本法人を設立,日本版も2009年内に提供する。Talendの国際部門責任者である副社長 Vicent Pineau氏がITproと会見し明らかにした。

 Talendは2006年に設立されたデータ統合ツール・ベンダー。データの抽出・変換などを行うデータ統合ツールTalend Open Studioや,データ・プロファイリングTalend Open Profilerなどを開発,オープンソース・ソフトウエアとしてGPLで公開。Talend Open Studioに管理ツールや共有リポジトリ,負荷分散機能などを追加したサブスクリプション・サービスTalend Integration Suiteを提供している。

 Talendはすでにアメリカ,イギリス,ドイツに支社があり,中国でも現地のパートナとの合弁企業を設立している。日本にも年内に日本法人を設立する。代理店として,大手および中小・中堅のシステム・インテグレータと数社と交渉中という。

 Talend Integration Suiteの日本版も年内に提供する「日本語化作業の進捗状況はすでに50%に達している」(Pineau氏)。単にメニューを日本語化するだけでなく,日本製の中堅・中小企業向けERP(統合業務アプリケーション)や日本製メインフレームの文字コードセット,外字にも対応するという。

 Pineau氏は,「景気後退により,中止されたTalend採用プロジェクトもあったが,少数だ。我々のソフトウエアはプロプライエタリなデータ統合ツールより低コストであり,景気後退により採用は増加している。1年前は1日に約1件新規の有料ユーザーが増えていたが,現在は1日に2件増えている」とし,景気後退は同社にとって好機であると強調する。

 またTalendは2009年9月,マスター・データ管理ツールを開発している米Amalto Technologiesを買収した。Amaltoのマスター・データ管理ツールを,2010年に初頭にもオープンソース・ソフトウエアとして公開する。Talendのソフトウエアと組み合わせることで「オープンソース・ソフトウエアによるデータ統合および管理を,Oracleなどプロプライエタリな既存の製品と対抗できるものにする」(Pineau氏)ことを狙っている。