KDDIは2009年9月30日,モバイルWiMAXとCDMAの両方式でのデータ通信が可能なデータ通信カード4種類(DATA01,DATA02,DATA03,DATA04)の記者発表会見を行った。会見では外出先から社内のパソコンにアクセスするためのサービス「KDDI セキュアPCアクセス」のサービス提供の開始も発表した。KDDI ソリューション商品企画本部長の小林昌宏氏やモバイル商品企画部長の中島昭浩氏らが会見に出席した。質疑応答の主な内容は以下の通りである。
モバイルWiMAXの通信モジュールを内蔵したパソコンが増えている。そうしたパソコンで,今回のようなネットワークを切り替える機能は実装できるのか。
ソフトウエア・レベルで実装はできる。実際に内蔵するWiMAXと連携できるCDMAの通信カードを出すかどうかは検討中である。
企業のモバイル・ユーザーは既にどこかのデータ通信カードを持っているのではないか。だとすると,どのユーザーに使ってもらうつもりなのか。
飽和しているという認識はない。企業向けデータ通信カードの需要はまだ伸びており,堅調だ。ただ,接続エリアだけを見るとCDMAは広いというメリットがあるが,今回発表したようなリモート・アクセスに利用する場合だと,画面転送を速くするにはモバイルWiMAXのような高速通信を使った方がストレスなく使える。そこでこれらの組み合わせが重要だと考えた。
Rev.Aは現在マルチキャリア化を図っており,通信速度がより高速になる可能性がある。その場合,WiMAXとCDMAの両方を使える意味は薄くならないのか。
ならない。なぜなら通信速度は通信方式だけでは決まらないからだ。例えばRev.Aのマルチキャリア化も空いているチャンネルを有効活用しようとする技術であり,空いていなければ速度は変わらない場合もある。それよりも基地局のリソース確保が重要だと考えており,法人ユーザーの利用が多いエリアでの基地局増設を考えている。
この通信カードを利用すると,契約数のカウントはどうなるのか。
どのようにカウントするのが適切か,総務省と相談しているところだ。
料金を公開していないが,目安はないのか。
定額制と従量制のプランを用意するが,詳しい料金体系はサービス開始直前に発表したい。モバイルWiMAXの利用頻度がCDMAよりも高いと想定されるので,定額制では一般的なモバイルWiMAXの料金に近くなるだろう。
今回の発表は,モバイルWiMAXのユーザー数を増やそうという支援策なのか。
支援策ではない。むしろKDDIのデータ通信カードの商品が少ないので,KDDI側のてこ入れになる。
企業向けだけでなく,一般向けにも販売するのか。そのタイミングはいつか。
一般向けにも販売する。時期は2009年12月以降で,できるだけ早く販売したい。料金は法人向けと変わらない。