ケイ･オプティコムは2009年9月29日，無線LANを使った通信サービス「eoモバイル」を2010年3月から開始すると発表した。eoモバイルは同社が提供しているFTTHサービス「eo光」のオプション・サービスとして提供する。オプション料金は月額315円である。別のオプション・サービスとして，イー・モバイルの第3世代移動体通信（3G）回線を利用するデータ通信サービスも利用できる。オプション料金は通信速度が下り最大7.2Mbpsの場合月額1000円～4680円，同21Mbpsの場合月額1000円～5680円である。

　無線LANの基地局は，ローミングを利用せず独自に設置するという。設置する基地局の規格は基本的にIEEE802.11b/gだが，一部の駅では最大速度が300MbpsのIEEE802.11nを採用する。基地局は順次設置し，サービス開始時は11市町村（大阪市，神戸市，尼崎市，西宮市，芦屋市，伊丹市，宝塚市，池田市，豊中市，箕面市，川西市）で2000個，2011年3月末までに関西一円の158市町村で1万個，最終的には3万個を設置する計画である。駅やコンビニエンスストアまたはスーパーなどを対象に展開する。基地局の設置場所は，電柱を想定する。店舗内が通信エリアになるように調整する。構内に基地局を設置するケースもある。

　無線LANを活用した法人向けのサービスも用意する。デジタルサイネージと見守りサービスである。デジタルサイネージ・サービスは，コンテンツをデジタルサイネージ端末に管理・配信するシステムと，デジタルサイネージ端末が通信するための通信サービスをセットで提供する。見守りサービスは，街中に設置したカメラの映像を管理するシステムと，カメラの映像を無線で送信するための回線を提供する。

　同社は，サービス開始から1年間で5万ユーザーの獲得を目指す。今後はイー・モバイルのデータ通信サービスだけでなく，モバイルWiMAXやLTEなど他の通信サービスもメニューに加えていく予定という。