写真1●シトリックス・システムズ・ジャパン ビジネスディベロップメントの山中理恵ディレクタ
写真1●シトリックス・システムズ・ジャパン ビジネスディベロップメントの山中理恵ディレクタ
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写真2●汎用サーバーを仮想L7スイッチに転用できる「Citrix NetScaler VPX」
写真2●汎用サーバーを仮想L7スイッチに転用できる「Citrix NetScaler VPX」
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写真3●NetScaler VPX評価ユーザー代表としてブロードバンドタワーの大和敏彦社長が臨席
写真3●NetScaler VPX評価ユーザー代表としてブロードバンドタワーの大和敏彦社長が臨席
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 「F5をいかに追い詰めているかが分かる」---。2009年9月28日,シトリックス・システムズ・ジャパンは同日から販売を始めた仮想レイヤー7(L7)スイッチ「Citrix NetScaler VPX」の説明会を開催。同社ビジネスディベロップメントの山中理恵ディレクタ(写真1)は米GartnerによるL7スイッチの市場分析を挙げながら,L7スイッチ最大手の米F5 Networksを追い上げる体制が整ったと宣言した。

 NetScaler VPXは,アプリケーション・レベルの負荷分散やプロトコル最適化などを実現するL7スイッチCitrix NetScaler MPXのソフトウエア部分を,同社のサーバー仮想化ソフトである「XenServer」向けの仮想アプライアンスとして提供するもの。ユーザーはブレード・サーバーなど各種汎用サーバーをプラットフォームとして,仮想L7スイッチを迅速に構成・展開できる(写真2)。同社の予測では,2010年には同社のL7スイッチ出荷数のうち5割がVPXになる見込み。サーバー仮想化ソフトを抱える強みを生かし,F5との差異化を前面に押し出す意向である。

 今回の説明会には,ヤフーなどを顧客に持つデータセンター事業者「ブロードバンドタワー」の大和敏彦社長(写真3)が評価ユーザーとして臨席。「ネットワーク・アプライアンスはユーザーの要求に応えられるよう在庫として抱える必要がある。(仮想L7スイッチなら)アプリケーション・サーバーなど汎用サーバー・プールと共通化できるため,素早く展開でき配置の自由度が高い」とコメントした。

 NetScaler VPXの機能はハードウエア・アプライアンスのMPXと同等だ。対サーバー・トラフィックの負荷分散(ロード・バランサ),TCPコネクション集約,各種プロトコル最適化,SSLアクセラレータ,キャッシュ,圧縮,アプリケーション・ファイアウォールなどの機能を備える。最大スループットは1インスタンスあたり1Gビット/秒。「物理層の制御に関する1%の機能をのぞいた99%がMPXと同じ機能」(ビジネスディベロップメントの村上慎一シニアマネージャー)とする。

 VPXは,スループットの上限値に応じて,上限10Mビット/秒のVPX-10,上限200Mビット/秒のVPX-200,上限1Gビット/秒のVPX-1000の3モデルを用意。また機能に応じて,広域負荷分散がオプション扱いのStandard,キャッシュ機能の一部やクライアント性能監視がオプション扱いのEnterprise,フル機能版のPlatinumの3エディションを用意する。価格はVPX-10が33万円から,VPX-200が75万円から,VPX-1000が225万円から(いずれも税抜き)。

■変更履歴
山中氏の所属,肩書きに誤りがありました。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2009/09/30 19:00]
VPX-10の発表時の価格に誤りがありました。本文は修正済みです。 [2009/10/08 19:30]