社長に就任した間塚道義代表取締役会長兼社長
社長に就任した間塚道義代表取締役会長兼社長
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 富士通は2009年9月25日午後7時に会見を開き、同社の代表取締役社長が交代したことについて説明した(関連記事)。新たに社長に就任した間塚道義代表取締役会長兼社長は「今朝の取締役会の前に野副(州旦前社長)から病気を理由に辞任したいという申し出があった。企業活動の継続性を考え、影響を最小限にとどめるために社長に就いた」と語った。野副氏は体調不良を理由に会見に参加しなかった。

 野副前社長の退任理由となった病状については「本人のプライバシーに関わることなので、話せない」とした。野副社長は昨年6月の就任から1年3カ月での退任となった。今後は相談役を務める。

 間塚会長兼社長は今後について「野副の打ち出した『お客様のお客様基点(顧客企業の顧客まで考えてシステムを作ること)』を続ける」と語った。自身がいつまで社長を務めるか、後継社長について考えがあるかということについては「当面は社長を務めるが、しかるべきタイミングで後継を選ぶ」とした。その時期については「何も決まっていない。年内か、年度内か、(来年6月の)株主総会か、その後いつまでやるかはまだ分からない」と語った。

 間塚氏が野副氏から社長交代について事前に聞いていたという事実もないという。「先週の連休前に会った時は、体調に関する話題は出なかったし、健康に見えた」と語った。ただ今朝辞任の申し入れを受けた時点では「かなり疲れていると感じた」という。突然だったこともあり「野副前社長から何かを託された、といったことも特にない」とした。

 間塚会長兼社長は1943年10月17日生まれ。1968年学習院大学卒業後、富士通ファコムに入社し、1971年に富士通に転社した。「入社以来、製造業の営業を約30年務めた」と語る通り営業畑出身で、黒川社長時代は副社長を務めた。野副前社長の就任と同時に、会長に就任していた。