写真1●iPhoneのカメラ越しに店内を見ると複数のタグが現れる
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写真2●タグを選択すると関連情報が表示される
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写真3●頓智・の井口尊仁CEO
写真3●頓智・の井口尊仁CEO
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 ソフトウエア開発会社の頓智・(トンチドット)は2009年9月17日,iPhone向けのAR(拡張現実)アプリケーション「セカイカメラ」の企業向け商用サービスを開始すると発表した。販売促進などにセカイカメラを利用したい企業に対してシステム構築サービスを提供する。手始めに,9月18日から10月12日に開催するファッションブランド「ロエベ」の展示会で商品紹介用のナビゲーション・ツールとして導入する。

 セカイカメラは現実世界の映像に付加情報を重ね合わせて表示するアプリケーション。ロエベの場合,東京・青山にあるブティックへの来場者に,まずiPhoneを貸し出す。来場者がセカイカメラのアプリを起動すると,iPhone内蔵のカメラを通して表示された店内の映像に複数のタグが現れる(写真1)。それらのタグを来場者が選択すると,商品情報やブランドの歴史に関する説明文などが読める(写真2)。クウジットが開発した無線LANのアクセスポイントを利用して位置情報を取得する技術「Place Engine」と,iPhone 3GSの方位センサーを組み合わせることで画面上にタグを表示する仕組みとなっている。

 頓智・は,2009年2月にも試作版を試験的に導入したサービスを展開(関連記事)した。今回はユーザーが気に入ったタグを保存する「ポケット」機能など機能を強化した。間もなくApp Storeで配布される予定となっている完成版の個人向けアプリケーションと同等の機能を持っている。

 今後は商用サービス販売に向けて「さまざまな企業や公共団体と話を進めている」(頓智・の井口尊仁CEO,写真3)ほか,セカイカメラのAPIの提供を計画するなど,同アプリを利用したARの用途拡大を目指す。