ストレージ・アプライアンス「BridgeSTOR」の外観
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ストレージ管理GUI画面
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 ベル・データは2009年9月16日,重複排除(DeDupe)機能付きのストレージ製品「BridgeSTOR」を発表した。最大の特徴は,ハードウエア・アクセラレータを用いて重複排除の処理性能を高めた点である。重複排除による性能低下を低く抑えたことで,アーカイブ/バックアップ用途だけでなく,インラインで透過的に重複を排除しながら,プライマリ(1次)ストレージとして使えるようにしている。

 BridgeSTORのプラットフォームには日本IBMのPCサーバー機を利用した。これにWindows Storage Server 2003とアクセラレータ・カードを組み合わせて,ベル・データがアプライアンス製品に仕立てた。10月1日に販売開始し,11月1日に出荷する。価格は360万円(税別)。販売目標は,中堅・中小企業や部門に向けて3年間で2000台。ベル・データは日本IBMの販社であり,保守サービスは別途有償で日本IBMからワン・ストップで受けられる。

 アクセラレータ・カードとして,米Exarが2009年に買収した米Hifnの「BitWackr」を搭載している。同カードは,Windows Server上で稼働する専用のソフトウエア(デバイス・ドライバその他)とセットになっており,Windows Serverからのローカル・ストレージ利用に対してアクセス透過的に,重複排除機能と圧縮機能,シン・プロビジョニング機能を提供する。重複排除のハッシュ演算とデータ圧縮演算をオフロードすることで,処理速度を高めている。

 重複排除の単位はボリュームで,重複を判断する範囲はブロック(NTFSのクラスタ)である。ハッシュ関数SHA-1によるハッシュ値が合致するか否かで重複を判断する。一方,データ圧縮の単位はブロックで,アルゴリズムはLempel-Ziv-Stac(LZS)。実際の使い方では,まずシン・プロビジョニングによって実現した仮想ボリュームにデータが書かれると,ブロック単位でデータが重複しているかどうかを判断し,重複していないブロックに関して,LZS圧縮をかけて保存する。

 アプライアンスとしての主な仕様は以下の通り。PCサーバーは,IBM System x3650 M2。OSは,Windows Storage Server 2003 R2。アクセラレータ・カードとソフトウエアは,BitWackr。ストレージは,物理容量が5Tバイト(仮想ボリューム容量は20Tバイト)。処理性能の目安は,ランダム書き込み時に30~40Mバイト/秒。搭載するNICの「Hifn Express DS4100」は,複数台のBridgeSTOR間でデータをレプリケーションすることを想定し,データ圧縮機能とデータ暗号化機能を備える。レプリケーション・ソフトとして,「CA ARCserve Replication」が付属する。