図●検索ボックスにマウスを合わせると、Xurchが推薦ワードを表示する
図●検索ボックスにマウスを合わせると、Xurchが推薦ワードを表示する
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 富士通は9月16日、Web検索を支援するソフト「Xurch」を無償で公開した。Xurchは、検索対象を絞り込むための関連ワードを推薦する機能を持ち、ブラウザにアドオンすると、ヤフーやグーグルなどの検索サイトや、アマゾン・ドット・コムといったショッピングサイトの検索支援に利用できる。米富士通研究所が開発した。対応ブラウザはFirefoxとInternet Explorer。

 検索ボックスにマウスを合わせると、検索ワードに関連したワードを多数表示する(図)。関連ワードは、富士通がWebサイトのコンテンツからワード同士の関連性を導き出して生成している。「一般的に検索サイトは、過去に入力されたログを基に関連ワードを表示するが、Xurchは検索対象サイト内のコンテンツを調べてワードを生成するのが特徴」(富士通研究所の岡本青史ソフトウェア&ソリューション研究所ナレッジテクノロジ研究部部長)という。

 実際のコンテンツから関連ワードを生成することで、「利用者が気付きにくい有用な絞り込みワードを発見できたり、検索語句を追加しても多数の関連ワードを絞り込み用に推薦できたりするといった利点がある」(岡本部長)。ショッピングサイトなどで利用する場合、関連ワードを探す対象を「書籍に関連したWebサイト」などと限定することで、推薦するワードの有用性を高めている。

 ワード間の関連性は、例えば『コンピュータ』と『グラフィクス』という言葉の場合、『グラフィクス』があるページに『コンピュータ』がある可能性は高いが、『コンピュータ』があるページに『グラフィクス』がある可能性はあまり高くはない、といったことから導き出すという。多数のサイトから言葉を抜き出して関連性を導くための大量の処理は、CADの論理演算で培った技術を応用した。

 現在は無償で提供しているが将来的には、「広告を掲載したり、企業内検索用ソフトとして販売したりするなど、収益につなげる方法も検討していく」(岡本部長)という。