米Adobe Systemsは米国時間2009年9月15日,Web解析の米Omnitureを買収することで最終合意に達したと発表した。買収額は約18億ドル(約1640億円)にのぼる見込み。AdobeはOmnitureのすべての発行済み株式を取得する目的で,株式公開買付(TOB)を開始する。

 AdobeはOmnitureの発行済み普通株1株当たり現金21.50ドルを支払う。この金額は,9月14日までの30日間の平均終値より45%高い。Adobeは,Omniture買収による成果が非GAAPベースの収益増として表れるのは2010会計年度になると見込んでいる。

 Adobeは自社のコンテンツ作成ツールなどにOmnitureのWeb解析,測定および最適化技術を統合し,オンライン広告,eコマース,デジタル・メディア分野に向けたソリューション提供の拡充を図る。デザイナや開発者,オンライン販売事業者などに対しては,コンテンツやアプリケーションの作成および配信の効率化を可能にし,広告主や広告代理店,パブリッシャなどには,デジタル・メディアとユーザー体験の向上により高いROIをもたらすとしている。

 取引完了は2009会計年度第4四半期(2009年9~11月)を見込む。買収後,OmnitureはAdobeの新部門となり,現CEOのJosh James氏が責任者として同部門上級バイス・プレジデントに就任する。

 米メディアの報道(New York Times)によると,買収を発表した同日のAdobe株式の終値は35.62ドルだったが,時間外取引で34.12ドルに落ちた。一方Omnitureの株式は,17.32ドルの終値から時間外に21.79ドルに上昇した。

[発表資料(PDF文書)]