Joruriによる徳島県ホームページ
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Joruriのコンテンツ編集画面
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 徳島県は2009年10月,独自開発の徳島県CMS(コンテンツ管理システム)を採用し同県のホームページをリニューアルする。徳島県CMSはRubyで開発しており,2009年度中にオープンソース・ソフトウエア(OSS)「Joruri」(ジョールリ)として公開する予定だ。

OSS採用を県の方針に

 徳島県では,情報システムを新しく導入する際に,なるべくオープンソース・ソフトウエアを採用することを方針としている。狙いはコスト削減,ベンダー・ロックインの軽減だけではない。同時に発注単位を小口化,小企業でも入手しやすいオープンソース・ソフトウエアを使うことで,県内のIT企業への発注を増やすことも大きな目的としている。

 すでに長崎県がオープンソース・ソフトウエアとして無償公開した「長崎県電子県庁システム」の導入を開始しており,2009年1月から4月にかけて稼働が始まっている(関連記事)。導入したのは「総務事務システム」と「母子寡婦福祉資金貸付償還システム」。総務事務システムはポータルサイト,スケジューラ,休暇システム,出勤簿システム,超過勤務等システムからなる。手当てシステムも2009年度中に導入する。導入コストは約1億円で,「他県での同種のシステムの導入に費用に比べ,費用を6分の1に抑えることができた」(徳島県)という。

Notesのサポート切れで移行,バージョンアップより安く

 徳島県は現在,Lotus Notesをグループウエアとホームページ作成に利用している。徳島県がホームページリニューアルの検討を始めたのは,利用しているNotes 5のサポートが終了したためだ。県職員のNotesユーザーは約4000人で,新しいバージョンにバージョンアップするには約8000万円かかる。

 徳島県では利用できるオープンソース・ソフトウエアを調査した。候補となったのが「島根県CMS」である。島根県が同県のホームページ作成に際して開発したCMSを,オープンソース・ソフトウエアとして無償公開したもの。Rubyで開発されており,視覚障害者向けにテキストを音声に変換して読み上げる機能,弱視者向けに文字を大きくしたり白黒反転させる機能などを備えている。

 徳島県では,島根県CMSの採用を前提に構築を担当する企業を募集。この結果,徳島県徳島市のアイ・ディ・エスが約1000万円で請け負うことになった。