ネットワンシステムズは2009年9月10日,クラウド・コンピューティング技術を使ったサービスの相互接続性やビジネスモデルを検討する組織,「クラウド・ビジネス・アライアンス」(CBA)を11月上旬に設立すると発表した。年内にもアライアンスに参加する企業と協力し,クラウド・サービス同士を連携させる実証実験を行う。サービス連携のために定義した仕様などを順次公開していく計画だ。

 CBAでは,クラウド・サービスを三つのレイヤーに分け,レイヤー間の連携の仕組みを検討していく。具体的には,(1)ソフトウエアをネットワーク経由で提供するSaaS(software as a service),(2)アプリケーションの稼働環境などを提供するPaaS(platform as a service),(3)仮想サーバーやストレージなどのリソースを提供するIaaS(infrastructure as a service)---である。

 これら3層にまたがるサービスを,ユーザーが自由に組み合わせられるようになれば,「セキュリティ・レベルや容量,価格などを比較したり選べるようになり,クラウド導入のメリットがユーザーにとっても分かりやすくなる」(ネットワンシステムズの澤田脩・代表取締役会長)。サービス連携を実現する方法としては,各レイヤー間の連携API(application programming interface)を整備していく計画。「すでに利用できる公開APIの動作を検証するほか,足りない機能があればソースを作って公開することも考える」(ネットワンシステムズ)という。

 CBAには現在,ネットワンシステムズを中心にSaaS事業者など13社が設立準備会に参加している。今後,10月に参加企業の募集を正式に開始し,11月上旬をメドに正式発足させる考えだ。今後はSaaS事業者のほかにもサーバー運用事業者や,データ・センター事業者,ソフトウエア・ベンダー,システム・インテグレータなどに参加を呼びかける。2010年春ころをメドに,CBAで検討した連携サービスの商用化を目指す。

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