シスコシステムズは2009年9月10日,企業向けテレビ会議システムを拡充する新施策を発表した。高品質テレビ会議とWeb会議サービスの統合を推進(写真1)。iPhoneなどのスマートフォン対応や他社製品との相互接続保証を実施することで,ユーザー層の拡大を狙う。
今回発表した施策は大きく三つ。(1)同社のWeb会議サービス「Cisco WebEx Meeting Center」の携帯端末対応,(2)高品質テレビ会議製品群「Cisco TelePresence」と他社テレビ会議システムとの相互接続に対する動作保証,(3)テレプレゼンスを核とするHDテレビ会議製品群とWebExの統合である。
WebExの携帯端末対応では,対応端末にiPhone/iPod touchを追加(写真2)。TelePresenceとWebExを併用することで,プレゼンテーション資料の閲覧が可能な音声端末としてiPhone/iPod touchが会議に参加できるようになった。その他の携帯端末についても,BlackBerryやWindows Mobileに近日対応する。
相互接続では,多地点接続装置(MCU)の「Cisco Unified Videoconferencing」シリーズの動作保証を実施。ソニー,ポリコムジャパン,日本タンバーグ,ライフサイズ・コミュニケーションズなどの主要テレビ会議端末との相互接続を保証するという(写真3)。また2009年第4四半期に順次販売を始める上位モデルの5000シリーズでは,SDおよびHD(720p,1080pは対応予定)画質での他社端末,およびWebExユーザーとの相互接続が可能とする。
テレビ会議製品群とWebExの統合は,現時点ではTelePresence製品で開催したテレビ会議にWebExから参加できるといった端末の相互接続に留まる(写真4)。今後は「段階的にソースコード共有や相互運用性向上を進めていく」(エンタープライズ マーケティングの北川裕康シニアマネージャー)という。
NTTのNGN「フレッツ 光ネクスト ビジネスタイプ」に対応
以上の拡充に,NTT東西によるNGNサービス「フレッツ 光ネクスト ビジネスタイプ」との親和性を前面に押し出す(写真4)。同社のIOSは,2008年10月にNGNのユーザー向けインタフェース仕様(UNI)に対応済み。同サービスが利用可能な国内拠点であれば,比較的品質が高い公衆回線であるNGNを足回りに,社内外を含めたHD画質のテレビ会議を従量課金で利用できるのが売りだ。
また製品面では,小規模向けテレプレゼンス製品を拡充して裾野拡大を狙う。発表したのは,最大6人で利用できるテレプレゼンス端末の「Cisco TelePresence System 1300」,最大2人の同1100の2モデル(写真5)。1100から1300にアップグレードできる増設オプションを別途用意する。
[発表資料]