写真●GyaOの川邊健太郎代表取締役社長CEO(中央),GyaOにコンテンツを提供するワーナーエンターテイメントジャパンの小田充日本代表(左),GyaOが採用したSilverlightの開発元であるマイクロソフトの大場章弘執行役(右)
写真●GyaOの川邊健太郎代表取締役社長CEO(中央),GyaOにコンテンツを提供するワーナーエンターテイメントジャパンの小田充日本代表(左),GyaOが採用したSilverlightの開発元であるマイクロソフトの大場章弘執行役(右)
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 ヤフーの子会社であるGyaOは2009年9月7日,サービスを全面刷新した。これまでの無料映像配信サービスに加えて,新たに有料映像販売サービスを追加。同日付けでサービスを公開した。発表の席で,GyaOの川邊健太郎代表取締役社長CEO(写真中央)は「収益化のためにはあらゆる手段を使う」と強調。新たな広告メニューの追加や有料映像販売サービスの開始し,統合によるインフラ・コスト削減,コンテンツ調達方法の変更などにより,2010年早期の段階での単月黒字化を目指す。

 GyaOは,2009年4月にヤフーがUSENから株式譲り受け子会社した(関連記事)。統合以前に両者がそれぞれ進めていた動画配信サービスは,1000万以上のユーザーを集めながら赤字の状態が続き,黒字化が課題となっていた。

 サービス刷新に伴って,まずは広告メニューをリニューアル。マイクロソフトの映像配信技術「Microsoft Silverlight」の最新版を用い,映像に連動して周囲のコンテンツが切り替わる広告を新たに投入する。さらには1社強調型のページ・ジャック広告やターゲティング広告などを駆使し,媒体の広告価値を高める考えだ。

 コンテンツ面では,新たにテレビ局との連携を強化。フジテレビジョンや日本テレビ放送網の出資を受け,GyaO上でテレビ番組の有料映像販売などを進める(関連記事)。「テレビ局の見逃し視聴の配信部分をGyaOが手伝いたい」(川邊社長)考えで,その他の局とも協議を進めているという。

 コンテンツ調達方法では,権利者にミニマム・ギャランティ(最低保証金)を支払うモデルから,広告や売り上げに応じて権利者と収益を分け合うレベニュー・シェア(収益分配)モデルに転換した。川邊社長は「ミニマム・ギャランティを支払うモデルではいつまでたっても黒字化は難しい。リニューアルに当たって,権利者に内情を説明し納得してもらった」という。現在は,ミニマム・ギャランティによる調達も一部残っているが,調達方法を転換することで従来と比べて3~4割のコスト削減を実現したと説明する。

 配信インフラ部分では,6月に旧GyaOとヤフーの動画配信のトランジットを統合。今回の全面刷新で配信部分も含めて共通化し,こちらも従来比3~4割のコストカットを達成したという。