NTT(持ち株会社)は2009年9月7日,映像符号化方式「H.264」に準拠して最大12ビットの4:2:2映像信号を符号化できるいわゆる「フルHD」対応のリアルタイム・イントラエンコーダ構成技術を開発したと発表した。

 今回NTTが開発した技術は,通常の4:2:0フォーマットの2倍の色情報を有する4:2:2フォーマットで,階調が最大12ビット(4096階調)のフルHD映像(1080×1920画素)をH.264に準拠して符号化するというものである。内部データ転送の効率化や演算回路の並列化によって,従来の1.5倍の階調幅を持つ映像信号をリアルタイムに符号化することを可能とし,ハイビジョン映像を豊かな階調と色信号を保ったままで圧縮する。フレーム間差分予測を使用しないイントラ符号化を用いており,処理遅延が小さく,符号化データの編集が容易な点も特徴という。

 高階調撮影に対応したカメラで撮影された映像素材を記録するとともに,広帯域IPネットワークを介して自在に伝送することが容易になる。NTTは,今後高階調対応のディスクパッケージやIPTV映像配信技術が開発されれば,「次世代高速無線LANなどのホームネットワークを介して,臨場感あふれる高画質映像をディスプレイに伝送して,自在に視聴することも可能になる」としている。なおNTTは,2009年9月11日からオランダのアムステルダムで開催される放送機器展「IBC2009」で,今回開発した技術の展示を予定する。

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