欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)はベルギーで現地時間2009年9月3日,米Oracleによる米Sun Microsystemsの買収計画について徹底的な調査に乗り出したと発表した。初期調査により,同計画はデータベース市場の競争について深刻な疑問が起こり得ると指摘。2010年1月19日に,欧州経済領域の競争を大幅に阻害するものであるかどうか,最終判断する。

 OracleとSunは,74億ドルにのぼる買収計画に合意したことを4月20日に発表した(関連記事:[速報]オラクルが74億ドルでサンを買収)。7月16日にSunの株主総会で同計画の承認を取り付け(関連記事:Sun,Oracleによる買収案を株主総会が承認),8月20日には米司法省が承認を発表している(関連記事:OracleのSun買収計画,米司法省が承認,ECの判断待ちへ)。

 EC競争担当委員のNeelie Kroes氏は,「プロプライエタリ・データベースの世界的主要企業がオープンソース・データベースの主要企業を買収しようとしているのだから,欧州の競争への影響を慎重に調べなければならない。特に,この買収が成立することにより,顧客が選択肢の縮小や価格の高騰などに直面しないことを確認する必要がある」と述べた。

 ECによれば,データベース市場は,OracleとSun,そして米IBMの3社に集中した競争が繰り広げられており,3社を合わせた売上高は市場全体の約85%を占める。Oracleのデータベース製品とSunのMySQLはデータベース市場の多くの分野で直接競合し,MySQLは機能が高まるにつれて競争的牽制力になると広く期待されている。今後の調査では,OraceがオープンソースとしてMySQLの開発を進めていくかどうかなど,多数の問題を検証する。

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