写真●ヤマトマルチメンテナンスソリューションズの関由紀夫代表取締役社長
写真●ヤマトマルチメンテナンスソリューションズの関由紀夫代表取締役社長
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 ヤマトホールディングス傘下の保守サービス事業会社であるヤマトマルチメンテナンスソリューションズの関由紀夫代表取締役社長(写真)は2009年9月2日,東京ビッグサイトで開催中の「エンタープライズ・リスク・マネジメント 2009」会場で,メーカーによる製品のリコールや自主回収の現状,それに対する同社の支援サービスの利用状況について講演した。

 ヤマトマルチメンテナンスソリューションズは,2008年10月にヤマトロジスティクスから保守サービス事業部門が分社化して設立された。分社化以前から,保守用部品の補完や配送,デジタル家電製品の修理に加え,リコール関連業務の支援サービス「クロネコヤマト・リコールサポートサービス」を2007年10月から手がけている。

 同サービスを開始した背景として,2006年頃から製品の不具合や経年劣化による事故が頻発したことを受けて,国や地方自治体による法制度の改正などが進んだことがある。「事故や不具合による製品回収の相談を受ける機会が増えた」(関社長)。

 リコール関連業務の支援サービスを開始するにあたり,同社はリコール支援に特化した社内資格「リコールサポートコンダクター」を設けた。資格取得者は「リコール対応のプロフェッショナルとして,不具合や事故の状況や,製品の特性,販路などに応じて,ヤマトグループの経営資源を活用した支援策を提案し実行する」(同)という。

 ヤマトマルチメンテナンスソリューションズが最近1年8カ月の間に回収した製品の数は300万個,製品回収に関連して発送したメール便は250万通に上るという。「ヤマトグループだけでも,これだけの数に上っている。2009年4月に施行された改正消費生活活用製品安全法では,指定品目についてメーカーの対策強化が義務付けられ,対象品目増える方向にある。9月1日から管轄が消費者庁に移り,より消費者に近い視点での対策が求められるだろう。今から備えて置くことが必要だ」と関社長は指摘した。