総務省は2009年9月1日,地上デジタル放送に関する放送用周波数使用計画の一部変更案に関する意見募集を開始したと発表した。変更案の内容は,周波数使用計画から東京都の多摩地域における地上デジタル放送の中継局に関する記述を削除するというものである。

 県域放送を行う放送事業者の多摩地域におけるデジタル送信局は当初,既に多摩地域に設置されている地上アナログ放送の中継局と同一場所に地上デジタル放送の中継局(多摩デジタル局)を置局して,東京タワーの親局(東京デジタル局)と多摩デジタル局で地上デジタル放送を行うことを前提に放送用周波数使用計画が策定されていた。しかし,県域放送を行う放送事業者が多摩地域において地上デジタル放送の電波測定を行った結果,一部地区(町田市と多摩市のそれぞれ一部)を除いたほとんどの地域で東京デジタル局から受信が可能であることが判明した。
 
 また計画どおりに置局した場合,東京都八王子市の一部でデジタル混信が発生する可能性も判明した。このような現状を踏まえて総務省は,県域放送で使う多摩デジタル局(空中線電力は10W)の計画を廃止することが適当と判断した。多摩中継局の代わりに,一部の地区をカバーするための小規模なデジタル中継局2局(2010年春頃及び夏頃に開局予定)を整備する考えである。

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