米国際貿易委員会(USITC)は米国時間2009年8月29日,韓国Samsung Electronicsがフラッシュ・メモリー関連の特許を侵害されたと申し立てた件について,調査を開始する方針を明らかにした。

 Samsung Electronicsは2009年7月31日,米国に輸入され,販売されている一部フラッシュ・メモリーと,それらを組み込んだデバイスが同社の特許を侵害しているとしてUSITCに申し立てを行った。

 調査の対象となるベンダーは,米Spansionとその日本法人,アルパインとその米国法人,台湾D-Linkとその米国法人,米Slacker,台湾Synologyとその米国法人,中国Shenzhen Egreat,米Appro International。Samsung ElectronicsはUSITCに対し,これらベンダーに輸入と販売を禁じる排除命令と停止命令を発するよう要請している。

 なおSamsungは,USITCによる別の特許侵害調査では調査される側になっている。USITCは2009年8月24日に,米BTG Internationalによる申し立てに応えて,Samsung Electronicsなどを調査することを明らかにした(USITCのプレス・リリース)。BTGは,米国に輸入される一部のノート・パソコンや携帯電話,携帯型メディア・プレーヤなどに,同社の特許を侵害するMLC(multi-level cell )NANDフラッシュ・メモリーが組み込まれていると主張。2009年7月27日にUSITCに提訴していた。

 BTGの件でUSITCが調査を行うのは,Samsung Electronicsとその米国法人,および米国子会社であるSamsung SemiconductorとSamsung Telecommunications Americaをはじめ,米Apple,台湾ASUStekとその米国法人,米Dell,中国のLenovo Groupとその米国法人,カナダのResearch in Motionとその米国法人,ソニーとその米国法人など。

 いずれのケースでも,USITCは詳細な調査スケジュールを明らかにしていない。

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