画面●「カスタム ジェスチャ デザイナ」を使って任意のジェスチャーを定義できる
画面●「カスタム ジェスチャ デザイナ」を使って任意のジェスチャーを定義できる
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 画面を指でタッチして操作するアプリケーションを作りたい――iPhoneの登場以来,マウスやキーボードに頼らないユーザー・インタフェースが注目されている。2009年10月に登場予定のWindows 7では,画面を指で操作する機能「マルチタッチ」や「ジェスチャー」をサポート。Windows環境でもタッチ操作によるユーザー・インタフェースが普及してくる可能性が高い。では実際にどうやってマルチタッチやジェスチャー対応のアプリケーションを作るのか。

 その一つの答えとなる開発ツールを,エンバカデロ・テクノロジーズが2009年8月25日に販売開始した。Windows開発ツールの新版「Delphi 2010」と「C++ Builder 2010」,.NET向け開発ツールの新版「Delphi Prism 2010」,それら3製品をまとめたスイート「Embarcadero RAD Studio 2010」だ。

 新版では,データ処理機能やIDE(統合開発環境)の改善などいくつかトピックがある。中でも最大の特徴はタッチ・コンピューティングのサポートだ。マウスの左ボタンの代わりとなる「ベーシック・タッチ」,同時に複数のポイントを指定して画面をスクロールしたり対象を拡大・縮小したりする「マルチタッチ」,指の動きでイベントを発生させる「ジェスチャー」,以上三つのタッチ操作を実装できる。

 タッチ操作のコーディングといっても特に難しくない。標準で搭載するコンポーネント群VCLがタッチ操作に対応。タッチ関係のVCLコンポーネントについてプロパティを設定していけば,比較的容易にタッチ操作を実装できる。

任意のジェスチャーも設定できる

 興味深いのはジェスチャーだ。横や縦といった標準的なジェスチャーを30以上搭載するほか,「カスタムジェスチャデザイナ」を使うことで,任意のジェスチャーを画面を見ながら定義できる(

 実装したタッチ操作は,Windows 7だけでなく,Winodws VistaやXPなど旧バージョンのOSでも動作。タッチ対応のハードウエアがなくてもマウスを使えば利用できる。

 Delphi 2010,C++Builder 2010,Delphi Prism 2010,Embarcadero RAD Studio 2010は,ダウンロード版が同社のサイト並びにComponentSourceのサイトから入手可能。パッケージ版については9月中旬に出荷開始する予定だ(Delphi Prism 2010はダウンロード版のみ)。

 それぞれProfessional,Enterprise,Architectの三つのエディションがあり,価格はダウンロード版が17万2200円(RAD Studio 2010 Professional)から,パッケージ版が17万6400円(同)から。

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