写真1●マイクロソフト 執行役 デベロッパー&プラットフォーム統括本部長の大場章弘氏
写真1●マイクロソフト 執行役 デベロッパー&プラットフォーム統括本部長の大場章弘氏
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写真2●マイクロソフト コマーシャルWindows本部 本部長の中川哲氏
写真2●マイクロソフト コマーシャルWindows本部 本部長の中川哲氏
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写真3●マイクロソフト 業務執行役員 サーバープラットフォームビジネス本部 本部長の五十嵐光喜氏
写真3●マイクロソフト 業務執行役員 サーバープラットフォームビジネス本部 本部長の五十嵐光喜氏
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 マイクロソフトの開発者向けイベント「Tech・Ed Japan 2009」が2009年8月26日,パシフィコ横浜で開幕した。基調講演では,同社の次世代IT基盤のビジョン「Dynamic IT」と,そのビジョンを実現するための製品群である「Windows 7」「Windows Server 2008 R2」「Microsoft Office 2010」などの新製品について説明した。

 最初に登壇したマイクロソフト 執行役 デベロッパー&プラットフォーム統括本部長の大場章弘氏(写真1)は,Dynamic ITとは「経営環境の変化,エンドユーザーのニーズの変化に俊敏に対応できるIT基盤」だと説明。ITプロフェッショナルにシステム運用管理業務の効率化や,コンプライアンスへの迅速な対応,開発期間の短縮などのメリットをもたらし,エンドユーザーにはセキュリティの強化やマルチデバイス環境などの安全性・利便性をもたらすシステムを指すとする。

 続いて登壇したマイクロソフト コマーシャルWindows本部の中川哲本部長(写真2)は,Dynamic ITを実現する次期OS「Windows 7」のパフォーマンスに関するデモを披露した。中川氏は「Windows 7の大きな改良点は,起動速度である」と述べ,Windows 7搭載ノートPCを使って,スリープ状態からの復旧を実演。2秒程度で起動することを示した。

 中川氏はさらに,「Core2 Quadプロセッサなどを搭載したハイスペックPCでOSの起動やアプリの動作が速いのは当然だが,Windows 7はネットブックやロースペックPCでも快適に動く」と強調。Atom 1.33GHzのプロセッサのネットブックや,中川氏が3年前に購入したというCore2 Duo 1.83GHzプロセッサを搭載したモデルなど,ロースペックPCを数台使って,画面切り替え機能のフリップ3Dがスムーズに動作する様子を示した。

Server 2008 R2は仮想/物理環境の垣根を無くす

 3番目に登壇したマイクロソフト 業務執行役員 サーバープラットフォームビジネス本部の五十嵐光喜本部長(写真3)は,次期サーバーOS「Windows Server 2008 R2」の機能強化点を解説。Windows Server 2008 R2は,低負荷作業時には処理を1つのコアにまとめて他のコアへの電力供給をストップする「コアパーキング」機能により,Windows Server 2003 SP2と比較して約20%の低消費電力化を実現したとアピールした。

 また五十嵐氏は,Windows 7とWindows Server 2008 R2が標準でサポートするVHD(Virtual Hard Disk)形式ファイルを使ったデモを実施。次期OSでは,物理的なHDDと同じように,VHD形式ファイルをシステム・ドライブやブート・ドライブとして利用できるようになる。

 デモでは,Windows Server 2008 R2の仮想化ソフト「Hyper-V 2.0」上に構築した仮想マシンとWindows 7環境の物理マシンを用意し,仮想マシンで作成したVHD形式ファイルを物理マシン上で展開する様子を紹介した。

 五十嵐氏は「データセンターは今後いっそう仮想マシンと物理マシンが共存する環境になる。Windows Server 2008 R2は,仮想環境と物理環境の垣根を無くすサーバーOSだ」とアピールした。Tech・Ed Japan 2009は8月28日までの3日間,開催される。