アクセンチュアは2009年8月20日、同社が提供するクラウドコンピューティング関連のサービスメニューの詳細を発表した。具体的には、クラウド上のシステム構築やコンサルティングサービス、クラウドを含めた企業システムの整備・運用、そしてSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)を提供する。

 クラウド上のシステム構築やコンサルティングサービスの名称は「Consulting & SI on Cloud」。顧客企業のシステムを重要度や付加価値といった観点から分類し、クラウドの活用に向くシステムを明らかにする。システム構築では、4月にインドに開設したクラウド関連の開発拠点「Cloud Factory」で開発したサービスを組み合わせて提供し、「迅速にシステムが構築できる」(システムインテグレーション&テクノロジー本部の沼畑幸二エグゼクティブ・パートナー)ことを売りにする。

 クラウドを含めたシステムの整備・運用は「Managed Cloud Service Delivered」との名称で、業務要件に合わせてサーバー導入型のアプリケーションやSaaSなどを組み合わせて提供する。構築したシステムの運用も請け負う。「インターネット上にあるパブリッククラウドの場合、セキュリティや信頼性といった点で顧客企業が要求する水準を満たすのは難しい。セキュリティや信頼性などを当社の運用でカバーする」と沼畑エグゼクティブ・パートナーは説明する。成果報酬型を採用するケースもあるとする。

 SaaSは「Accenture as a Service」という名称でアクセンチュア自身が提供する。業界に特化し複数企業が共同で利用できるサービスで、第一弾として化学物質情報のデータベースを提供する企業と協業し、化学物質にかかわる許認可申請を支援する「化学物質統合管理」を年内にスタートさせる。欧米ではすでに自動車部品管理や航空券発券向けのSaaSを提供している。