総務省は2009年8月18日,同日に公示された「第45回衆議院議員総選挙」に関する当選確実の放送についての要請を各放送事業者に対して行った。具体的には,「国政選挙はすべての国民が関心を持つものであるとともに,選挙結果に関する放送の誤りが関係者に多大な影響を及ぼす」としたうえで,「放送法や有線テレビジョン放送法,電気通信役務利用放送法の趣旨にのっとって当選確実の放送を慎重かつ正確に行って,放送に対する国民の信頼に応えるように十分な配意をお願いする」とした。

 これに対して日本民間放送連盟は同日に,報道委員会委員長である堀鐵藏氏(名古屋テレビ放送代表取締役社長)のコメントを発表した。民放連は2007年7月の第21回参議院議員通常選挙において同様の要請が行われた時に,報道活動に対する行政の介入が常態化することに懸念を表明した。それにもかかわらず,今回も要請が行われたことに対して「極めて遺憾である」とした。

 そのうえで,「当確報道の誤りは,視聴者の見識と,何よりも放送局自身による不断の自己点検と研鑽,さらにはメディア同士の自由な競争による切磋琢磨のなかで是正されるべきものだ。それが健全な民主主義社会の発展につながる」との考えを強調した。

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