ドメイン名やIPアドレスを管理する非営利組織Internet Corporation for Assigned Names and Numbers(ICANN)は米国時間2009年8月12日,ドメイン名登録の猶予期間中に登録/取り消しを繰り返す「ドメイン・テイスティング」という行為が急減したと発表した。ICANNが約1年前に導入したドメイン・テイスティング対策の効果で,AGP中の取り消し件数が99.7%減ったという。

 一部のドメイン名にはAGP(AGP:Add Grace Period)という試用期間が設けられており,登録から5日以内に取り消せば登録料が発生しない。ドメイン・テイスティングとは,使うあてのないドメイン名の登録/取り消しをAGP中に繰り返す行為のことで,手当たり次第に登録した大量のドメイン名から高い広告収入が見込まれるものだけを選んだり,フィッシング・サイトを開設したりすることに悪用される(関連記事:ドメイン・テイスティングとは)。

 ICANNはドメイン・テイスティング対策として,登録申請者が登録/取り消しするドメイン名の件数を1カ月単位で集計し,取り消し件数または取り消し率が一定割合を超えた場合は追加登録時に課金する,という新ルールを設定し,ドメイン・テイスティングに従来より多くのコストがかかるようにした。その結果,AGP中の取り消し件数は2008年6月に約1800万件あったのが,2009年4月にはほとんどなくなったという。

 ICANNによると,登録後5日未満で取り消された「.com」ドメイン名は,ピーク時には1カ月に数百万個に達したという。

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