ソフトバンクモバイル、筑波技術大学、長野サマライズ・センター、群馬大学、東京大学は2009年8月17日、共同で開発した「モバイル型遠隔情報保障システム」を、障害者支援団体に無償で貸し出すと発表した。iPhoneのほか、Bluetoothマイク、ミキサー、アンプなどの機材やソフトウエアを提供する。

 モバイル型遠隔情報保障システムは、聴覚に障害を持つ人が学校の授業や講演会などに参加する際に、ほぼリアルタイムで字幕を表示するための仕組みを実現する。講師の音声をBluetoothマイクなどを使って、聴覚障害者が持つiPhoneに転送。iPhoneの携帯電話機能を使って遠隔地にいるボランティア「情報保障者」に音声を届ける。

 情報保障者は届いた音声を聞きながら、パソコンを使って字幕データを作成する。それをリアルタイムにインターネット経由でiPhoneに送信するという仕組みである。このシステムを利用すれば、若干の時間差はあるものの、健常者と同じように授業を受け、講演会から情報を得ることができるようになる。

 ソフトバンクモバイルや筑波技術大学は、多くのNPO法人(特定非営利活動法人)や支援団体に使用してもらい、システムの安定化や機能強化につなげる考えである。期間は、2009年10月1日から3カ月間、または12月15日から3カ月間。審査の上で貸し出し先を選定する。貸し出す機材の台数は協議の上で決める。