ディーバ 代表取締役社長 森川徹治氏
ディーバ 代表取締役社長 森川徹治氏
ディーバ・アメリカ CEO 中村研二氏
ディーバ・アメリカ CEO 中村研二氏
ディーバ・アメリカのオフィスがある米サンフランシスコのビル
ディーバ・アメリカのオフィスがある米サンフランシスコのビル

 ディーバは連結会計ソフト「DivaSystem」をWindowsサーバー・ベースからJavaやGroovyなどのオープンソース・ソフトウエア(OSS)ベースに移行する。現在,DivaSystemの次世代プラットフォームを米国子会社で開発しており,2009年中にも一部顧客向けに評価版を提供する。

 DivaSystemは580以上の採用実績があるという。現在のDivaSystemはWindowsサーバー上に構築。開発言語は主にC++で,一部でC#も利用している。

 ディーバは2008年11月,米国子会社DIVA CORPORATION OF AMERICA(ディーバ・アメリカ)をサンフランシスコに設立した。ディーバ・アメリカのCEOには野村総合研究所やNRI Pacific,米Comcastなどに在籍していた中村研二氏が就任している。ディーバ・アメリカでは現地の技術者も集めており,9名の開発チームのうち「半数は日本人以外」(中村氏)である。「オープンソース・コミュニティとも連携する」(同)としており,既にオープンソース開発フレームワークGrailsのプラグインを公開している。

 今回,プラットフォームを再構築する主な目的は「スケーラビリティ」であるという。「現在の会計システムのユーザーはイントラネット内でしか使われず,経理担当者に限られている。将来の連結会計システムは1社だけのものではなく,イントラネットとインターネットの中間になる。一般の社員も,連結会計情報をもとに自律的にビジネスへ参加するようになる」(ディーバ 代表取締役社長 森川徹治氏)。そのため,全社員からのひんぱんなアクセスに耐え得るスケーラビリティが必須になるという。

 具体的には,Javaと,その上で動作するスクリプト言語Groovyなどを採用している。Groovyは配備後のカスタマイズ可能プロセスなどで使用する予定だ。プロトタイプ開発の際はGroovyの開発フレームワークGrailsも使用したが「今回の開発プロジェクトではRADの優先度が低いためGrailsの採用は見送った」(中村氏)という。

 Groovyについては「コレクションやファイル操作に対する簡潔な記述,クロージャによるロジックのパラメータ化,MOP(Meta Object Protocol)などの機能によりメンテナンス性が大きく向上している。ただしIDE(Intelli/J)のメソッド補完やリファクタリングの精度の低さ,デバッグのブレークポイントが設定できない場合があるなど,動的スクリプト言語ゆえの弱点もある」と評価している。

 次世代プラットフォームは,2009年中にも「一部の顧客に,評価していただけるような形にしていく」(森川氏)という。