米MicrosoftとフィンランドNokiaは2009年8月12日(現地時間),両社の提携を発表した。モバイル版Microsoft Officeなどを,NokiaのSymbian携帯電話で利用可能にする。モバイル分野における両社の提携はこれが初めて。
両社は共同で,Microsoft Word,Microsoft PowerPoint,Microsoft ExcelとMicrosoft OneNoteのモバイル版をNokiaのSymbian携帯電話で利用可能にする。またMicrosoft Office Communicator Mobileによる企業向けインスタント・メッセージング,Microsoft SharePoint Serverで構築された企業ポータル,システム管理ツールMicrosoft System Centerにアクセス可能にする。
Nokiaは2010年に同社のスマートフォン向けにMicrosoft Office Communicator Mobileを出荷する。その後,Officeなどを提供していくとしている。
米Gartnerの調査によれば,2009年第1四半期のスマートフォン市場におけるNokiaのシェアは41.2%でトップ。ただしiPhoneやBalckBerryの影響などで,前年同期の45.1%に比べて減少しており,テコ入れを迫られていた(関連記事)。
Symbian OSはNokiaの関連企業Symbianが開発していた携帯電話向けOSで,現在は非営利団体であるSymbian Foundationのもとで開発され,オープンソース化が進められている。日本ではNTTドコモとソフトバンクがSymbian OSを採用した携帯電話を出荷している。
MicrosoftとNokiaの提携は世界を対象にしたものだが,日本での展開についてマイクロソフト日本法人では「各国での展開はそれぞれの国の事情にあわせて行われる。日本語版のSymbian OS向けOfficeを提供するかどうかは未定」としている。
Gartnerの調査によれば,Symbian OSの2008年第4四半期スマートフォン市場におけるシェアは47.1%でトップだが,前年同期比の成長率は-21.6%となっている(関連記事)。
[発表資料]