写真●IIJの鈴木幸一代表取締役社長
写真●IIJの鈴木幸一代表取締役社長
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 インターネットイニシアティブ(IIJ)は2009年8月11日,2010年3月期第1四半期(4~6月期)決算を発表した。売上高は前年同期比3.0%減の158億3500万円,営業利益は同14.7%減の3億5100万円だった。「売上高は,ほぼ期初の想定どおりに着地した」(鈴木幸一代表取締役社長,写真)。

 システム構築(SI)事業の売上高は,前年同期比40.6%減少。SIの引き合いは,「ITサービス業向けは横ばい,その他の業界は軒並み低調」(取締役CFO 渡井昭久氏)だという。SIなどの一時売上が減少した一方で,インターネット接続サービスやアウトソーシング・サービスなどのストック売上は増加した。インターネット接続サービス事業の売上高は同9.4%増,アウトソーシング・サービス事業は同7.8%増,運用・保守サービス事業は同2.3%増加となり,ストック売上全体では同6.4%の増加となった。

 事業別の利益を見ると,SI事業は減収だったものの「コスト・コントロールの徹底により」(渡井氏),売上総利益(粗利)が前年同期比1.5%増加。ネットワーク接続サービス/アウトソーシング・サービスは同10.8%増加した。しかし,事業立ち上げ期にあるトラストネットワークスのATM運営事業が利益にマイナス寄与し,全体の粗利は減少した。

 今期の経営環境ついて,鈴木代表取締役社長は「景気に底打ち感はあるものの,まだまだ心配な部分もある」と話す。「今期は,SIの減収幅を極力小さく抑え,サービス売上で稼ぐという構図が続くだろう」(同氏)。

■修正履歴
記事公開当初,3段落目の事業別利益の種類を「営業利益」としていましたが,正しくは「売上総利益」です。お詫びして修正いたします。本文は修正済みです。[2009/08/17 11:50]