日本通信は2009年8月7日,2009年第1四半期の決算説明会を開催した。代表取締役社長の三田聖二氏と常務取締役 CMO&CFOの福田尚久氏が出席した。主な質疑応答は以下の通り。

――2009年7月に開始したUQ WiMAXやサービス開始を予定している次世代PHSは,ドッチーカの脅威になるのか。

脅威ではない。WiMAXや次世代PHSなど,ネットワークを利用者の使い方に合わせてまとめるのが日本通信の趣旨である。ただしUQ WiMAXのMVNO(仮想移動体通信事業者)になるには原価+適正利潤という相互接続料金を支払う必要があるが,サービスが始まったばかりで原価が高い状態である。もう少し原価が落ち着いたら,または相互接続料金でなく相対料金を設定できるなら取り組むかもしれない。

――WiMAXを内蔵したパソコンが登場しているが,日本ヒューレット・パッカード(HP)と共同で発表した通信モジュールを搭載したノート・パソコンの競合になり得るのか。

競合ではなく,WiMAXの通信モジュールをノート・パソコンに内蔵する取り組みは歓迎すべきことと考えている。我々がサービスを開始したい場合に,通信端末を仕入れなくて済むからだ。我々は端末ではなく,サービスを提供するのが本業である。

――総務省において,設備投資を抑えるためにMNO(移動体通信事業者)が安易にMVNO化することは規制される見込みだが,どのような感想を持っているか。

MNOがMVNOになるのはナンセンスだ。日本は電波の免許を無償で与え,その分の利益を設備投資に回させる戦略である。その設備投資が滞るようなMVNO化はいいとこ取りになる恐れがある。

――NTTドコモの契約者の純増数に日本通信が寄与しているとの発言があったが,どの程度の数字なのか教えてほしい。

現在は四半期ベースで公開している。毎月の数字は日本通信だけで出せるものではない。

――第2四半期の業績見通しを教えてほしい。

日本HPと取り組んでいる日本通信の通信モジュール内蔵パソコンの結果が,第2四半期に反映されるだろう。このほかにも日本通信がMVNEとしてケーブルテレビ事業者に提供した通信サービスや,ナムザック・ジャパンのIP電話向けに提供した通信サービスも同じく結果が見えてくるだろう。

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