写真●第12回 情報通信行政・郵政行政審議会 電気通信事業部会の様子
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 2009年8月6日,情報通信行政・郵政行政審議会 電気通信事業部会が開催され,NGNにおけるIPv6インターネット接続方式に関する接続約款変更案について,諮問通り認可することが適当と答申した(写真)。これにより,IPv6インターネット接続方式として「トンネル方式」と「ネイティブ方式」の二つが並立することが決定した。

 今回の答申は,同部会の接続委員会による調査報告を受けたもので,2回にわたって寄せられた多数の意見(パブリック・コメント)を反映し,12もの要望事項が付記された形となっている。

 具体的な内容は,7月28日に開かれた接続委員会で提出された報告書案とほぼ同じ(関連記事)。ただし,2方式の提供時期について,報告書案の「NTT東西に対し,トンネル方式とネイティブ方式の提供開始時期の同等性を確保するように努めることを要請する」という表現から,今回の答申では「NTT東西に対し,トンネル方式の提供開始時期がネイティブ方式の提供開始時期より遅れることのないよう努めることを要請する」という表現に改められた。これは,既存のIPv4インターネット接続と同じトンネル方式は基本的サービスという位置付けであり,まったく新しいネイティブ方式の開発が万が一遅れてもトンネル方式は先行して提供されるべき,という接続委員会の委員の意見を反映したものだ。

 今後のスケジュールは,NTT東西が8月下旬にトンネル方式とネイティブ方式を実現するための開発や検証を開始する。開発・検証には約20カ月かかる予定で,2011年4月のサービス開始には間に合う見込みである。トンネル方式では,ユーザー宅に新たに置くことになる家庭用IPv6ルーター「アダプタ」の仕様や価格がどのようになるのかが重要なポイントとなる。また,ネイティブ方式に関しては,8月21日がネイティブ接続事業者の申し込み締め切りとされており,どの事業者が申し込むのか,また4社以上になった場合にどこが選定されるのか注目される。