総務省は2009年8月6日,同年5月時点のインターネット・トラフィックの推計値を発表した。同省は,国内のISP(プロバイダ)6社と研究者の協力を得て,毎年5月と11月に1カ月間トラフィックを測定。そのデータから,国内のブロードバンド・サービス契約者のダウンロード・トラフィック総量を推計して公表している。

 今回発表した5月時点のトラフィックは,推計で1.23Tビット/秒。2008年11月時点の同988.4Gビット/秒から増加し,初めて1Tビット/秒を超えた。この1年で増加ペースが速まっており,2008年5月時点の同879.6Gビット/秒の約1.4倍になっている。同省のデータ通信課によると,この伸びは想定の範囲内で,動画の画質向上などが影響しているのではないかという。

 トラフィック総量の推計値とブロードバンド・サービス契約数(2009年3月末時点)から,ブロードバンド1契約当たりのダウンロード・トラフィックを算出したところ,推計で約40.5kビット/秒になった。これは2006年5月から増加傾向が強まっている。これを1日当たりのダウンロード・データサイズ(バイト)に換算すると,1ブロードバンド・ユーザーが1日当たりにだいたい432Mバイトをダウンロードしていることになる。例えば1曲4Mバイトの楽曲なら,1日100曲程度になる計算だ。

 また,ISP同士で交換されるトラヒックの中に占めている,国外のISPから調査に協力したISPに流入するトラフィックも,2006年5月から増加傾向が強まっているという。今回は推計で約213.1Gビット/秒で,この1年間で約1.4倍になった。

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