写真1●米NetSuiteのザック・ネルソン プレジデント兼CEO
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写真2●ネットスイートの田村元代表取締役社長
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 富士通とネットスイートは2009年8月5日,SaaS型アプリケーションの販売に関する提携を発表した。富士通と富士通ビジネスシステム(FJB)は同日から,SaaS型ERPの「NetSuite Release J」とSaaS型CRMの「NetSuite CRM+ for Japan」を国内の中堅・中小企業向けに販売するほか,導入支援やコンサルティング,サポートなどの付帯サービスも提供する。

 米NetSuiteのザック・ネルソン プレジデント兼CEO(写真1)は,今回の提携に関して「NetSuiteにとって,世界で初めての大手SI企業との提携になる。米HPとも販売提携をしているが,富士通との提携は当社にとっても業界にとってももっと重要だ。日本におけるクラウドの状況はこれによりすっかり変わると信じている」と語った。

 米NetSuiteの2008年売上高は,前年から40%増の1億5250万ドル。同年に獲得した新規顧客数は270という。ネルソンCEOは,「不況下ではあるが,グローバル企業を中心に基幹システムのクラウド化に弾みが付いている」と語る。富士通とFJBは当初,日本市場向けにネットスイートのサービスを提供していくが,海外市場への展開も今後検討するという。

 この前日の8月4日に就任した,ネットスイート日本法人の田村元代表取締役社長(写真2)は,「日本市場でも,富士通は初の大手SIパートナーになる。ネットスイートが過去10年間に蓄積したノウハウや技術によって,富士通が早期にSaaSビジネスを立ち上げられるよう支援する」と語った。

 田村社長はERPビジネスの経験が長く,特に製造業の業務アプリケーションに明るい。直近はグロービア インターナショナルの副社長を務めた後,SAPジャパンで約2年間,マーケティングならびにカスタマーイノベーションセンター担当のバイスプレジデントを務めている。