米Microsoftは米国時間2009年8月5日,次期クライアントOS「Windows 7」上で古いアプリケーションを動かすための仮想化機能「Windows XP Mode」のリリース候補(RC:Release Candidate)版を公開したと発表した。同社のWebサイトから無償でダウンロードできる。

 RC版はWindows 7 Professional/Ultimate/EnterpriseのRC版および製品(RTM:Release To Manufacturing)版に対応した。2009年4月にリリースしたベータ版に比べ使い勝手を改善させたとしている(関連記事:Windows 7 RCの隠し球,XP互換機能「Windows XP Mode」ベータ版を試す)。利用するには仮想化技術「AMD-V」または「Intel VT」に対応したプロセサと,1GバイトのRAM,15Gバイトのハード・ディスク空き容量が必要。

 RC版では,Windows XP Modeで作動中のアプリケーションに各種USBデバイスを割り当てる作業が,Windows 7のタスクバーから直接行えるようになった。Windows 7のデスクトップとWindows XP Modeアプリケーション・ウインドウを合成する「仮想アプリケーション」モードのままUSBデバイスを割り当てられるため,Windows XP Modeデスクトップを全画面表示する「仮想マシン」モードに移行する手間が省ける。また,Windows 7のタスクバーにおいてWindows XP Modeアプリケーションを右クリックすると,「最近使ったファイル」にアクセスできる。必要に応じてWindows 7とWindows XP Mode間のドライブ共有の無効化も可能。

 ただし,Microsoftは「多くの場合Windows XP Modeを使う必要はない」としている。「Windows XP」「Windows Vista」で使われているアプリケーションの多くがWindows 7でも動いており,そのままWindows 7上で実行する方がパフォーマンスやセキュリティの面でもよいと説明している(関連記事:「互換性確保の最終手段にしてほしい」---マイクロソフトがXP Modeの位置付けを説明)。

 また,同社はWindows XP Modeにもセキュリティ対策ソフトウエアをインストールし,安全を確保するよう呼びかけている。

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