米GoogleのCEOであるEric Schmidt氏が米Appleの取締役を辞任することが発表されたが,米連邦取引委員会(FTC)は調査を続行する意向だ。FTC競争局ディレクタのRichard Feinstein氏は米国時間2009年8月3日に公開した声明の中で「両社間の残りの役員兼任について引き続き調査する」と述べている。

 Feinstein氏は,かなり前から両社の取締役重複が独占禁止法に触れる可能性について調査を行っていたことを認め,「両社がますます競争的立場になる中,共通の取締役を採用していることが競合の問題を引き起こすことを認識すべき」と勧告している。Schmidt氏のほかに,バイオテクノロジ大手の米Genentecの会長,Arthur Levinson氏も両社の取締役を兼任している。

 AppleとGoogleは現在,Webブラウザ(SafariとChrome),モバイル向けプラットフォーム(iPhone OSとAndroid),パソコン用OS(Mac OSとChrome OS)の分野で競合関係にあり,Schmidt氏のApple取締役辞任については以前から英米メディアが取りざたしていた(関連記事:GoogleのシュミットCEO,いよいよApple取締役辞任か---メディア各社報道 )。

 Appleは8月3日にSchmidt氏の取締役辞任を発表(関連記事:GoogleのCEO,Schmidt氏,ついにApple取締役を辞任 )。同社CEOのSteve Jobs氏は「残念ながら,Googleが当社中核ビジネスの分野にいっそう入り込んでいることから,当社取締役としての同氏の役割は縮小されることになる。そのため,われわれは双方ともに,今が辞任すべき時だという結論に達した」と説明した。

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