NTTコミュニケーションズは2009年8月3日,WANサービスの「Arcstar IP-VPN」でユーザー宅内のルーター設置を不要とする「ルーターレス」プランの提供を同日から開始すると発表した。アクセス回線を通してバックボーン網からルーター機能を提供することで,宅内へのルーター設置が不要となる。これにより,ユーザーの導入や運用にかかるコストが削減できるという。

 今回の新プランは,パソコン端末の台数が少ない小規模拠点での導入を想定する。利用できるアクセス回線は,0.5M~10Mビット/秒のイーサネット専用線(NTT東日本・西日本ワイド)か,確保帯域が1Mビット/秒で最大10Mビット/秒までバースト通信できる「バーストイーサタイプ」の2種類。それぞれの「ルーターレス」プランは,通常プランと比べて月額料金を1万500円安く設定した。

 従来のイーサネット専用線を導入する場合,宅内ルーターの導入費用として約10万円,宅内ルーター維持管理費用として毎月約5000円がかかるという。「ルーターレス」プランでは,これらのルーター導入費用や維持管理費用が必要ない。アクセス回線の料金も含めると,導入1年目の料金は通常プランと比べて約28万円の価格差が生じるという。

 なお,同様のルータレス機能は,KDDIがWANサービス「Wide Area Virtual Switch」に追加することを表明している(関連記事)。