ワークスアプリケーションズは2009年7月31日、2009年6月期(08年7月~09年6月)通期決算の説明会を開催した。売上高は前期比3.4%増の208億2600万円と微増だったが、営業利益は同65%減の12億600万円と大幅減となった。規模拡大に向けて投資を増加させたにもかかわらず、売上高を想定ほど伸ばせなかった。前期に比べ、売上原価は19億3000万円、販管費は10億円増加している。

 売上原価が伸びたのは、ソフト製品のラインアップが増加したため。製品開発やバージョンアップにかかる売上原価が17億5000万円増加した。これに伴い、サポートサービスの売上原価も2億2000万円増えている。販管費の増加は営業拡大のために人員を増やしたことが原因だ。

 売上高を伸ばせなかった理由について、「リーマンショックの影響で、08年12月から09年5月半ばころまで大企業はIT投資の意思決定をできない状態にあった」(牧野正幸代表取締役最高経営責任者)と説明する。数十億円規模の損失をいかにカバーするかが企業の経営課題となっており、数千万から数億円規模のIT投資案件は意思決定を先送りされたという。ただし、「引き合い自体は過去最高レベルで、5月後半からは成約する案件も増えてきた」と言い、状況は改善されつつあるとする。

 2010年6月期の業績予想は、売上高が前期比17.4%増の244億6000万円、営業利益が同213.2%増の37億80000万円を見込む。