かんぽ生命保険は2009年7月31日、日本郵政公社時代に判明した簡易生命保険のプログラムの誤りによる支払いミスが4万8319件あったと発表した。8月から顧客への案内を開始する。支払いが不足している分については、正しい金額との差額に遅延利息をつけて支払う。過払い分については「回収費用との見合いで、一定額以上については返還を求める」(かんぽ生命広報)とする。返還を求める額については公表しなかった。

 プログラムの誤りによる支払いミスは2通りある。一つは終身年金保険などの契約のうち、契約種類の変更や年金額の減額などの契約変更を行った場合。一部の契約で配当金計算が誤っていた。過払いは38665件で過払い額の平均は年530円、支払い不足は5337件存在し不足額の平均は902円だった。

 もう一つは毎年一回顧客に送付する「支払年金額等のお知らせ」において、必要経費金額を端数処理プログラムの誤りにより1%分少なく算出していたことによるもの。定期年金保険や終始年金保険の課税対象金額は、年金支払金額から必要経費を引いたものとなる。必要経費を少なく算出してしまったため、課税対象金額が実際より多くなってしまっていた。過徴収だった契約は4317件で、年平均2143円過徴収していた。

 プログラムの誤りは2006年7月に判明し、同年9月からプログラムの点検などを進めていた。今回の発表により、プログラムの点検は完了したとする。