レッドハットの中井雅也氏(左)と日本HPの赤井誠氏(右)
レッドハットの中井雅也氏(左)と日本HPの赤井誠氏(右)
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 日本ヒューレット・パッカード株式会社(日本HP)とレッドハットは2009年7月30日,金融機関向けにUNIXなどの既存システムからLinuxへの移行を促進する「ReaLISM (Realtime Linux Infrastructure for Server Migration)」を開始した。ディーリングやトレーディングなど,主にリアルタイム性が要求されるシステムを対象に,共同で営業と構築支援サービス提供を行う。

 日本HPとレッドハットは「HP金融グリッドセンター」内に「金融機関向けLinuxリアルタイムシステム構築支援オフィス」を設立,レッドハットの技術者が常駐する。両社は共同でHP ProLiantサーバーと「Red Hat Enterprise MRG Realtime」を組み合わせて検証を行い,その結果をWebサイトなどで公開する。

 「Red Hat Enterprise MRG Realtime」はRed Hat Enterprise Linux 5をベースにリアルタイム性を高めたOSで,通常のRed Hat Enterprise Linux 5と互換性があるという。「J.P. Morgan, Chaseは,MRGのメッセージング・システムを使い,1日に10億のメッセージを送信している」(レッドハット マーケティング本部 部長(兼)プロダクト・マーケティング・マネージャ 中井雅也氏)。

 日本HPでは「既存のサーバーを最新のサーバー,特にブレード・サーバーに置き換えることで保守費用や電気代,スペース代を削減し維持コストを削減できる」(日本HP エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ISS ビジネス本部 ソフトウェア・プロダクト&HPC マーケティング部 担当部長 赤井誠氏)ことを訴え,Linuxへの移行を促進していく方針。