マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 Windows Server製品部 シニアプロダクトマネージャーの川瀬透氏
マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 Windows Server製品部 シニアプロダクトマネージャーの川瀬透氏
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 「Hyper-Vを昨年7月に発売してからわずか半年で,その導入率がVMwareと肩を並べるほどになった。導入したお客様からはコストや管理性の面で評価する声をいただいている」。マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 Windows Server製品部 シニアプロダクトマネージャーの川瀬透氏は、2009年7月29日に東京都内で開催された「仮想化フォーラム2009 Summer」に登壇し、ハイパーバイザ型仮想化ソフト「Hyper-V」の導入実績が順調に増えていることを強調した。

 川瀬氏は「Hyper-Vの今、これから」と題して講演。マイクロソフトが5000人以上の技術者らにインタビューした結果、Hyper-Vに対して(1)技術情報が不足しているのではないか(2)国内での導入実績が少ないのではないか(3)機能が他社製品に比べて劣っているのではないか──という三つの疑問が寄せられた。川瀬氏は、これらを「Hyper-Vに対する典型的な誤解だ」とした上で、一つひとつの疑問に答えた。

 川瀬氏は国内の6社の導入事例を披露した。このうち、アステラス製薬は以前、約1000台のサーバーを運用していた。だが、機器と運用にかかるコスト、消費電力の削減のために仮想化技術の導入を決めた。同社がHyper-Vによる仮想化を採用した理由について、「さまざまな仮想化製品を比較検討したが、コストやゲストOSへのサポート、他のマイクロソフト製品を含めた一気通貫のサポート体制を評価してもらった」と川瀬氏は説明する。アステラス製薬は、3台のブレードシャーシにそれぞれブレードを16枚実装し、1ブレードあたり5台の仮想マシンを稼働させる予定。5年間で約5000万円のコスト削減効果を見込んでいる。

 川瀬氏は、マイクロソフトによる技術情報の提供についても言及した。具体的には仮想化専用のポータルサイトや技術情報に特化した「仮想化TechCenter」の開設,技術者や営業担当者を対象にした仮想化認定プログラムの展開を通して,豊富な技術情報を提供している。

Hyper-V 2.0の充実した新機能を説明

 もう一つの“誤解”であるHyper-Vの製品機能への疑問に対して、川瀬氏はWindows Server 2008 R2で実装される「Hyper-V 2.0」の新機能を紹介した。「Hyper-V 2.0はメジャーバージョンアップと言ってもよいほど機能を追加した」と強調した。

 新機能の目玉となるのが「Live Migration」。アプリケーションを停止することなく、仮想マシンを別の物理マシンに移動させることができる機能で、川瀬氏はLive Migrationによるデモを披露した。そのほかにも、仮想マシンの自動最適配置や運用管理ツール「System Center」を利用した統合管理のメリットを説明し,「Windows Server 2008 R2の評価版を試してほしい」と呼びかけた。