野村総合研究所(NRI)は2009年7月24日,2010年3月期の第1四半期(4~6月)決算を発表した。売上高は前年同期比2.5%増の815億2100万円,営業利益は同1.0%増の99億5300万円と伸張した。

 セグメント別の業績は,システム開発やソフト販売,アウトソーシングなどの「ITソリューションサービス」事業が前年同期比4.3%の増収,同10.5%の営業増益と好調。しかし,「コンサルティングサービス」事業は,経営コンサルティングおよびシステム・コンサルティング案件の大幅な減少により,同14.1%の減収,3億7600万円の営業損失と振るわなかった。

 顧客業種別の売り上げを見ると,証券業が前年同期比5.1%減。「不調だった前年同期から,さらに悪化した」(NRI 取締役専務執行役員の室井雅博氏)。一方,保険業はかんぽ生命保険向けの案件増加により同46.8%増,銀行業も同8.2%増となった。

 6月末のITソリューションサービス事業の受注残高は前年同期比30%増加しているが,次のシステム開発受注につながるコンサル案件が減少していることが不安材料だ。室井氏は,「今四半期の業績と6月末時点の受注残高だけを見ると,今期は好調のように思われる。しかし実際は,特に製造業向けのコンサル案件が急減するなど,下期にかけて非常に厳しい状況だ」と述べた。

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室井雅博氏の役職に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。本文は修正済みです。[2009/07/27 20:50]