写真 デジタル放送完全移行推進の集いに参加した佐藤総務大臣(左から1人目)と北島三郎氏(右から2人目)
写真 デジタル放送完全移行推進の集いに参加した佐藤総務大臣(左から1人目)と北島三郎氏(右から2人目)
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 地上放送の完全デジタル化の期限まであと2年となった2009年7月24日,「アナログ放送終了2年前・デジタル放送完全移行推進の集い」が開催された。政府関係者や放送事業者,家電メーカー関係者などが参加し,官民が一丸となって地上放送の完全デジタル化に取り組む姿勢をアピールした。

 同イベントに参加した佐藤勉総務大臣は,「先ほど開かれた地上デジタル放送国民運動推進本部の第3回会合で,『“日本全国”地デジで元気!』キャンペーンを行うことが決まった」と報告した。このキャンペーンでは,各地の放送事業者や地域関係者が中心となって地域住民に地上デジタル放送への対応を働きかける。地上放送事業者はキャンペーンの中心となり得る集客力のあるエンターテインメント・イベントを開催する。デジタル放送推進協会(Dpa)は各地のイベントを主催する放送事業者に,地上放送のデジタル化についての情報を発信するタレントやDVDなどの映像素材を提供する。さらに佐藤総務大臣は,「地上デジタル放送のメーンキャラクターの草なぎ剛さんに復帰してもらった。一層,地上放送のデジタル化を盛り上げてもらいたい」と期待を示した。

 放送関係者も登壇し,地上放送のデジタル化に向けた取り組みの現状や意気込みを述べた。日本民間放送連盟会長の広瀬道貞氏(テレビ朝日顧問)は,全国約50カ所にある総務省テレビ受信者支援センター(デジサポ)について,「NHKと民放事業者などの関係者が約400人配置されている。実際に相談を受けてアンテナ取り付けなどの作業をする人は約4000人だ」として,視聴者の地上放送のデジタル対応を支援する体制をアピールした。一方,日本放送協会(NHK)副会長の今井義典氏は,「デジタル化のもたらす多くの果実を視聴者に実感してもらえるように,質の高い放送サービスを提供していきたい」とした。

 2009年7月24日に地上デジタル放送のメーンキャラクターとしての活動を再開することになった草なぎ氏も挨拶を行った。草なぎ氏は一連の事件について謝罪をしたうえで,「今日から地上デジタル放送普及推進にまた参加できることを心から感謝している。2年後の完全デジタル移行の協力を得ることができるように今日から頑張っていきたい」と述べた。草なぎ氏および所属事務所は,地上デジタル放送のCMの出演料を辞退することをデジタル放送推進協会(Dpa)に申し入れており,Dpaはこれを受け入れることを決めている。

 さらに地上デジタル放送のアピールのために制作された「地デジで元気!音頭」の歌手に起用された北島三郎氏も参加した。地デジで元気!音頭はDpaのWebサイトから無料でダウンロードできる。

 なお会場では,同日に石川県珠洲市で行われた「アナログ放送終了リハーサル」の様子が中継された。午前10時の地上アナログ放送の一時停止によって, 石川県珠洲市の視聴世帯のアナログ・テレビには「アナログ放送終了リハーサル実施中」という告知画面が表示された。石川県珠洲市のアナログ放送終了リハーサルは同日の午前11時まで実施された。