米EMCは米国時間2009年7月23日,同年第2四半期の決算を発表した。連結売上高は32億6000万ドルで,前年同期から11%の減収(為替の影響を除いた場合は8%減少)。米国会計原則(GAAP)ベースの純利益は2億520万ドル(希薄化後の1株当たり利益は10セント)で,前年同期の3億6010万ドル(同17セント)から43%の減益となった。

 非GAAPベースでは,純利益が3億5890万ドル(希薄化後の1株当たり利益は18セント)で,前年同期の4億9440万ドル(同24セント)から28%の減益となる。

 当期の売上高を地域別に見た場合,米国における売上高が前期比3%増の16億8000万ドルで全体の52%を占めた。米国外の売上高は同4%増の15億1000万ドルとなり,全体の48%となった。

 部門別業績を見ると,ストレージ,RSA Security,コンテンツ管理&アーカイビング事業で構成する情報インフラ部門の売上高は28億ドルで前期比5%の増加。ミッドティア向けストレージの「CLARiiON」や統合ストレージ「Celerra」のほか,バックアップ&リカバリ・ソフトウエアやRAS情報セキュリティ製品,EMC Global Servicesなどが好調だった。傘下の米VMwareは4億550万ドルを計上した。

 EMC最高経営責任者(CEO)のJoe Tucci 氏は,「IT市場が通常の支出水準に回復した場合,当社の売上高の伸びは2ケタ台に復活するだろう」とコメントした。

 決算報告と併せて,EMCはストレージ・ベンダーの米Data Domainの株式公開買い付け(TOB)を完了し,同社の発行済み株式の約90.3%を取得したと発表した(関連記事:Data Domain,EMCの買収提案に合意,NetAppとの合意を撤回)。

 EMCが保有するData Domain株式は,TOB以前に取得した3.9%の株式と合わせて約94.2%となる。合併は第2段階に入り,残りのData Domain株の所有者(Data DomainおよびEMCとその子会社を除く)に現金で1株当たり33.50ドルという同じ条件が適用され,同日中に買収が完了する見込み。Data Domainの同年6月期における売上高は前年同期比40%増の約8600万ドルだった。

 今後の業績見通しについては,2009年第3四半期の売上高として,Data Domainを除いた場合で前期比2~3%増,含めた場合で同4~5%増になると見込む。通期の売上高はData Domainからの2億ドルを合わせて138億ドル,希薄化後の1株当たり利益は51セントになると予測する。

発表資料(1)
発表資料(2)