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 ソフトウエア部品の流通を目指して設立されたコンポーネントスクエアは2009年7月23日,同社ホームページで解散を発表した。同社が運営していた会員組織「CSQコミュニティ」は,株主の1社である豆蔵が引き継ぐ。

 コンポーネントスクエアは2001年,ソフトウエア部品流通市場の確立を目指して,Javaやオブジェクト指向技術を手がけるIT企業が共同で設立した。設立時の株主は,住商情報システム,日立ソフトウェアエンジニアリング,日本総合研究所,NTTコムウェア,アグレックス,NECソフト,オージス総研,米Sun Microsystems, テクマトリックス,デュオシステムズ,電通国際情報サービス,東芝ソリューション,日本IBM,NEC,野村総合研究所,米BEA Systems, 日立製作所,日立ビジネスソリューション,豆蔵の19社である(関連記事)。

 「ソフトウエアの再利用の取組みは40年以上前から何度か大きなチャレンジが行われていましたが,なかなかうまく行きませんでした。そんな状況の中,EJBを中心としたサーバーサイドJavaの技術が登場し,IT業界の中で今度こそは!という機運が広がり,19社の賛同企業が集まって設立したわけです」(コンポーネントスクエア)

 しかし,「再利用のムーブメントは小さな動きは多くあるものの、大きな流れには中々進展しませんでした」(同)。同時期にソフトウエア部品流通を目指した企業は他にもあったが,いずれも市場を確立できていない。

 そして「そんな状況の中,最近のSOA,SaaS,クラウドといったサービス利用のムーブメントが起こり,もはやイノベーションと言ってよいほど大きなうねりとなっています。ソフトウエア部品を購入し,自前のシステムに組み込んで使うという,我々のビジネスモデルを見直さなければいけない決定的な要因が出現したわけです」(同)。

 このような状況から,会社を解散し,出資企業に資産を返還することとしたという。2009年5月29日に行われた定時株主総会で解散決議が可決・承認された。

 コンポーネントスクエアは,会員組織「CSQコミュニティ」を運営していた。これまでに「丸山先生のレクチャーシリーズ」,「技術交流会」などのセミナーを開催,のべ約1万2000人が参加している。CSQコミュニティは,コンポーネントスクエアの株主の1社でもある豆蔵が引き継ぎ,運営を継続する。