無線LAN業界団体のWi-Fi Allianceは2009年7月23日，同年9月の標準化を予定する高速無線LAN仕様「IEEE 802.11n」に準拠する機器認証プログラムを同年9月下旬に開始すると発表した（写真）。標準化に先駆けて2007年から進めてきたドラフト仕様準拠の認証制度「Wi-Fi CERTIFIED draft 2.0」を通過した製品は，正式版の認証についても再試験不要で取得できる。
IEEE 802.11nは，100Mビット/秒以上の高速通信が可能な無線LAN仕様。ドラフト仕様に準拠した無線LANアクセス・ポイントやノートPCなどが既に市場に出回っており，それらの製品について相互接続性を保証する認証制度を業界団体であるWi-Fi Allianceが運用中だ。IEEE 802.11nの標準規格が2009年9月に最終決定するのに合わせて，この認証制度も改訂する。新しい認証プログラムでは，基本的な要件は変更せずに，いくつかのテスト項目をオプション扱いで加える方針である。現在の「Wi-Fi CERTIFIED draft 2.0」認証を取得した製品は，新しい認証プログラムによる認証試験を受けずに新ロゴを利用できる。
新しい認証プログラムには，フレームに占めるデータの割合を増やす「A-MPDU」，ダイバーシティ効果を高める「STBC」（時空間ブロック符号化）など，主にスループットの改善につながる仕様についてテスト項目を加える。相互接続性に影響を与える仕様ではないものの「802.11nのオプション仕様の採用が増えている現状を考慮した」（Wi-Fi Alliance マーケティング・ディレクターのKelly Davis-Felner氏）という。認証プログラムの詳細については「2009年9月の正式発表までに逐次公開する」（同氏）という。
