富士通ラーニングメディアが導入した「新受講管理サービス」の画面例
富士通ラーニングメディアが導入した「新受講管理サービス」の画面例
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 IT研修サービス大手の富士通ラーニングメディアは2009年7月22日、研修受講者が利用する「新受講管理サービス」を、セールスフォース・ドットコムのPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)「Force.com」上に構築したと発表した。受講者の出欠登録や講義に関する理解度テスト、受講後のアンケートを実施するシステムで、全国6カ所の拠点で1000人の受講者が同時に利用できる。

 同社はこれまで、受講後のアンケートなどは紙で管理していた。紙のアンケート集計の効率化や、受講者サービス向上などのためにWebベースの受講管理システムの導入を検討していたが、「午前9時の受講開始時に1000人以上の受講者が同時にアクセスする」(同社)ことから、システムのスケーラビリティが課題になっていたという。

 例えば、サーバーを本社1カ所に集約した場合、1000ユーザーの同時アクセスに耐えられる大型のサーバーやストレージが必要である。一方でサーバーを各拠点に分散配置した場合は、拠点ごとにシステム管理者を置かなければならない。そこで富士通ラーニングメディアでは、システム構築基盤として「Force.com」を採用した。Force.comは、CRM(顧客関係管理)サービスの「Salesforce.com CRM」のプラットフォームをサービスとして利用できるもので、ユーザー企業は独自のアプリケーションを構築できる。

 富士通ラーニングメディアでは、Force.comを採用することによって、2カ月で新受講管理サービスのシステムを構築できたという。サーバーを自前で運用する場合、1億円以上の初期投資が必要となる見込みだったが、Force.comを使ったため初期投資は人件費のみ(数百万円)で済んだという。Force.comは同時接続ユーザー当たりの利用料は月額3000~9000円のため、年間での運用コストは数千万円に収まる。既に受講者向けのサービスを開始しているが、パフォーマンスも問題にならなかった。