独SAPは現地時間2009年7月20日,予測・補充ソフトウエアなどを手がけるスイスSAF Simulation, Analysis and Forecastingの全株式を公開買い付けで取得する計画を発表した。SAFの買収により,同社の小売業および卸売業向け計画/予測/補充ソリューションの拡充を図る。

 SAPは,SAF株主に対して1株当たり11.50ユーロで取得する公開買い付けを実施する。この価格は,ドイツのフランクフルト証券取引所における7月17日付の終値10.50ユーロに対して9.5%のプレミアムとなり,過去3カ月の平均株価終値に33.9%を上乗せした水準となる。SAF株式の約38%を保有する大口株主は,この買い付けを受け入れることで合意しているという。

 SAFは,小売りやロジスティックス,産業分野向けの予測・補充ソフトウエアの開発を専門とする企業。小売業界向けに製品の補充を自動化する「SAF SuperStore」や「SAF SuperWarehouse」,予測ベースの計画立案をサポートする「SAF SuperForecast」などを提供している。従業員数は約100人で,米国,スロバキア,ドイツに子会社を持つ。

 両社はOEMパートナとして提携関係にあり,現時点でSAPはSAFの株式を保有していない。

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